自重力トレーニングこそ、運動能力を最大化する
マンガでよくある
めっちゃ体が小さいのに、
カラダがデカイ奴を圧倒する
ってのを見た事がありますか?
今回の内容で、その秘密を公開します。
自重力トレーニングは、有用で機能的な運動能力を発達させる
自然界に、バーベルやダンベルを上げたり下げたりする動物はいませんよね。笑。対象物を動かす前に求められるのは、自分の体をコントロールし、動かす能力です。
走ったりするときの足には、胴体の重さを支える筋力が求められます
背中と腕には、ものを持ち上げたり、押しのけたりするパワーが求められます。
”強い”の意味が違うのか?
ボディービルダーやジムのトレーニーたちの多くがこの事実を理解していないのは悲しいことです。そして、重たいものを動かすトレーニングに終始しています。
時間をかけて練習すれば重量があるウエイトを持ち上げる動作には秀でてきます。しかし、自分の体を動かすという運動が持つ目的を無視しているので、最終的にケガが体の破壊に繋がります。
ムキムキでカラダもデカいのに、老人のようにゼーゼー言いながら階段を登る太っちょのマッチョを見た事があります。筋肉がいびつに発達しているので、思い通りに体をうごかせなくなっているのです。
自重トレーニングは、こういった運動障害には結びつきません。本質的に、自由に動く体を手に入れるためのトレーニングだからです。
自分の体を対象物にして筋肉を鍛えるため、自重力トレーニングの上級者になる事ができれば、早くてしなやかな体になっていきます。
自重力トレーニングは、効率性が高いエクササイズです。
個々の筋肉や筋肉の一部を鍛えるのではなく、筋肉、腱、関節、神経系を統合された一つの単位として動作させるからです。
その結果、筋肉にとどまらず、腱、関節、神経系を同時に鍛えることになります。
動作におけるこの相乗効果が筋力を鍛えていきます。
ウエイトが専門のトレーナーは、波打つような筋肉を持つ事が筋力だと考えている人が多いのですが、実は違います。
実際は、筋細胞を発火させる、神経系であり、筋力やパワーは、主に神経系の情報伝達効率に左右されています。
肥大したボディビルダーと小さい筋肉なのに、強い筋力を発揮するには、そういった人たちの筋肉は、神経系は開発されているからなのです。
例えば、体操の金メダリスト、内村航平さん。
彼は、ウエイトトレーニングはほとんどしないそうです。
体も超ゴリゴリマッチョというわけでもないのに、
バク転やバク宙、鉄棒など驚異的な身体能力を持っています。
体脂肪率3~5%の引き締まった体です。
それは、日々の自重トレーニング、
関節や神経トレーニングの賜物であると伺えます。
強さを手に入れた男性の誰もが、真のパワーは、筋肉の大きさよりも、関節や腱の強さから生まれた、と言います。自重力トレーニングの動作は、関節と腱を鍛えるものなので、ウエイトトレーニングで開発できるものより大きなパワーを手にする事が出来ます。
さらに、筋力を効率的に発達させるもう一つの秘密
自重力トレーニングが筋力を効率的に発達させるもう一つの理由は、複数の筋肉を合わせて動作させるからです。
例えば、スクワットは、大腿四頭筋だけでなく、脊柱、股関節、腹部と腰、さらにはつま先の筋肉まで働かせます。
正しく行うブリッジでは100以上の筋肉が働くことになります。
なぜなら、僕らの体は、複合的、全体的に動作する形で進化したからです。多くのボディビルディングの動作(特にマシンで行われるもの)は、ある筋肉を人工的に分離して鍛えるので、不均等な発達と偏った機能性を作り出します。
ボディビルディングとウエイトトレーニングの多くは、最終的に、ある位置にロックします。
これは、身体システムの比較的小さな領域(あるいは個々の筋肉)がエクササイズの対象になることを意味しています。
しかし、自重力トレーニングでは、体全体を動かさなねばならないので、そのため、筋肉の協働力や相乗力、バランス力、そして精神的な集中力が必要になります。
これらの全てが、筋力だけでなく、精神を鍛え、発達させます。
隆敏